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1988年5月号
「小さな考えから大きな考えへ。中途半端はだめ。」
熊本で満喫した雄大な阿蘇もいい。静岡で垣間見た秀麗な富士もいい。そんな時、太陽と森と水と人との一体感が、宇宙と私達との一体感となり、年甲斐もなく踊りだしたい程の感受性を覚えます。
そしてそれ等を見る時、私達人間の仕業は何とちっぽけなものだろうかと、今更ながら強く思えてきます。
同時に人間はもっと大きくならなければならないと痛感させられます。狭い枠から飛び出して、小さな考えから大きな考えをした時、その時はじめて本当の黄金色に包まれた心になるのであります。
桜の開花と共にU・S・A・ESPも財団法人として活躍する運びとなりました。第一弾に続き、最後の超念力第二弾もアメリカ全土に一斉発売される運びとなり、いよいよESPも更に大きく飛躍することとなりました。
本を出してその実証に世界を回る、そんな人が一体どこにいるでしょうか。自分のことだけを考えればこれはホドホドにしかなりません。けれども他人のことを考えて他人のことを願えば、物事は大きく転換するはずです。
小さな事だけに捉われたり、目先の事だけを考えたりすれば、人生の長丁場を渡るのに逆に大きな損失をするだけです。
私は医者でもないのに、まるで医者に言うようなことをよくいわれます。この力は皆さんにもできるのに、とよく思います。
世の中は夢のような時代になりました。半導体から超電導へ、あらゆる視点や角度からの病気の解明へ、それはそれで素晴らしい絶ゆみない努力のものです。
けれども超電導体が人間の心を変えるわけではありません。どんな良い病院でも、完全に病が治るとは限りません。
熊本の講演会の時に手の上がらない子供さんに「手を治して下さい」といわず「心をやってください」といったら、手が上がり、満場の拍手を浴びました。
札幌講演会の時に、ある高校生が<是非読んで下さい>と渡してくれた手紙がありました。
「2月29日のあの報道を知り僕の所にも何本か電話が入りました。僕は<石井先生を信じて>とだけ言いました。
思った通り翌朝学校に行くと皆からいろいろ言われましたが、先生の<悪いことは良いことだ>との言葉を思い出し、僕は<必ず良くなる>と言い聞かせました。(中略)
すると不思議なことに昼休みを過ぎた頃から今まで信じなかった人もESPのことを質問するのです。(中略)
今までは3割くらいしか信じなかったのに、今は半数近くが信じてくれています」
そうです。信じてください。それを契機に私の力も変わりました。一つの節を経て更に強くなった竹のように。