今月の言葉・目次>1988年6月号>

1988年6月号
「人の喜びを自分の喜びとすることを」

黄昏どきの海を見ていると、刻々と変えるその表情に驚かされます。時代も何と大きな変容を私たちにもたらせてくれるのでしょうか。

海峡の間を列車が走り、島と陸の間を車が走る。

確かに便利にはなったけれど、何かを得られた分、何かを失った寂しさを感ずるのは私だけでしょうか。

けれどそういった気持ちが起きる限り、人間の心は決して変わらないということなのです。そしてその変わらない心がある限り、天(神)にもある心が通じるのは当然といえば当然であります。

札幌講演会で、旭川市から4、5人の家族に支えられてみえた方が日本人に一人という奇病で、骨が溶けるという想像を絶する病だとの事でした。

骨壊死による気を失うような痛みをモルヒネで止めているという究極に立たされたその男の方の、その後の経過はまさに劇的なものでした。

その後しばらくしてからの便りでは、「札幌で先生に手をかけて頂いてから、体がまったく変わって来ました。気を失うような痛みもなくなり、手などの腫れもみえず、麻酔も使っていません。骨が溶けるのが止まってしまったように思われ、それに手の平がキラキラ光っているのです。他の人も不思議に見つめています。(中略)

私は、今嬉しさが重なり、生きていく力が沸いてきました。(中略)

同じ病院に入院している方に、何よりも私がま心パワーを送った人達が医者が考えられない程、全く極端に良くなっているのです。(中略)

本当に大きな素晴らしい力です。厚く厚く御礼申し上げます。」とありました。私はそれだけでも本当に嬉しかった。

しかしその後の5月14日の札幌講演会ではもっと喜ばしいことがありました。

何とその方が退院して体験発表してくれたのです。歩き方も早く、かつて大勢で支えてみえたことが嘘のようでした。もう会場は割れるような拍手でした。

勿論それ等の結果は私の力ではありません。私が授けられた力であることはいうまでもありません。

けれどもその結果を見た時の喜びは何にも換えがたいものです。人の喜びが自分の喜びとなった時、はじめて自分も幸せになれるのです。

そしてやってみることです。しょっちゅう理屈を述べていたら、生存競争の苦しみしかないでしょう。やれば不安がなくなります。その心が更に良い結果をもたらせてくれるのです。

そうそう、昨日対馬から大漁と報告が入ったこともお知らせしておきましょう。


前のページ次のページ